日本臨床外科学会雑誌
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Recklinghausen病に合併した小腸憩室穿孔の1例
笠巻 伸二川瀬 吉彦野口 肇西村 和彦森脇 稔杉谷 通治
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1999 年 60 巻 1 号 p. 120-123

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抄録

Recklinghausen病に合併した小腸憩室穿孔の1例を経験した.
症例は51歳男性. 23歳時よりRecklinghausen病と診断されていた.平成8年12月17日当院脳神経外科で脳腫瘍の診断にて開頭腫瘍摘出術を施行.術後経過良好であったが,平成9年1月8日突然上腹部痛が出現した.腹部は板状硬であり,腹部CT所見上free airを認めたため,消化管穿孔による汎発性腹膜炎と診断し,同日緊急手術を施行した.
開腹所見では, Treiz靭帯より肛門側約20cmの空腸に4×4×3cm大の食物残渣に満ちた憩室および穿孔部を認めた.空腸憩室穿孔による汎発性腹膜炎と診断し,小腸部分切除および腹腔内ドレナージ術を施行した.
病理組織学的検索で,今回穿孔をきたした憩室の成因がRecklinghausen病に合併した神経線維腫であると診断しえた.

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