日本臨床外科学会雑誌
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肝転移を契機に発見された小腸腫瘍の2例
新槇 剛荒井 保明松枝 清山上 卓士高野 靖悟岩井 重富
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1999 年 60 巻 1 号 p. 124-128

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抄録

肝転移を契機に発見された小腸腫瘍の2例につき若干の文献的考察を加えて報告した.症例1, 32歳,男性.腹部の圧迫感を主訴に受診.腹部CTで肝に多発する中心性壊死をともなった巨大な腫瘍を認め,平滑筋肉腫の肝転移を疑った.骨盤部CTおよび小腸造影施行し回腸に原発巣を認め手術にて切除,確診した.症例2, 57歳女性.心窩部の不快感を主訴に受診.腹部超音波検査および腹部CT検査で多発性肝腫瘍,小腸造影で空腸の狭窄像を認めたため小腸癌の肝転移と診断,小腸切除術施行し確診した.空腸,回腸腫瘍は全消化管悪性腫瘍で0.3~0.5%を占め,予後も不良とされている.肝病変の精査的には稀ではあるが小腸腫瘍も考慮する必要があると思われた.

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