日本臨床外科学会雑誌
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虚血性小腸狭窄症の1例
中村 文隆道家 充成田 吉明宮崎 恭介松波 己加藤 紘之
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1999 年 60 巻 1 号 p. 129-133

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抄録

症例は36歳,男性.生寿司を摂取後,腹痛が発現し,イレウスの診断にて入院となった.保存的治療にて症状は軽快したが,経口摂取開始後,再びイレウス症状が出現した.小腸造影検査が行われ,空腸に限局性の管状狭窄が認められたため,第52病日に開腹手術が行われた.開腹すると,トライツ靭帯より約120cmの空腸に,長さ7cmの全周性狭窄を認め,その口側は著明に拡張しており,小腸部分切除術を施行した.切除標本の肉眼所見,病理学的所見により虚血性小腸炎による狭窄と診断された.
虚血性腸炎が小腸に発現することは少なく,狭窄を生じることは稀である.今回われわれは,虚血性小腸炎による小腸狭窄の1例を経験したので文献的考察を加え報告する.

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