日本臨床外科学会雑誌
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胆嚢管原発granular cell tumorの1例
小川 朋子村林 紘二中野 英明上原 伸一楠田 司高橋 幸二大西 久司野田 直哉岡南 裕子中村 育夫矢花 正
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キーワード: 胆嚢顆粒性細胞腫
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1999 年 60 巻 1 号 p. 183-187

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抄録

胆嚢管原発のgranular cell tumorは非常に稀である.最近,われわれは上行結腸癌に合併し,術中,偶然発見された胆嚢管原発granular cell tumorを経験したので報告する.症例は83歳,女性.貧血の精査目的で当院内科を受診し,上行結腸癌と診断され,手術目的で外科転科となった.術前の検査にて胆道系酵素の軽度上昇,胆嚢の腫大を認めた.上行結腸癌に対し右半結腸切除術を施行したが,術中,胆嚢管に硬結を触知したため,三管合流部の胆管壁を一部含め胆嚢を摘出し,胆嚢管硬結を術中迅速病理検査に提出したところgranular cell tumorと診断された.切離断端陽性のため,さらに胆管切除,胆管空腸吻合術を施行した.術後の病理検査にて良性のgranular cell tumorと診断され,術後11カ月の現在,再発の徴なく健在である.

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