日本臨床外科学会雑誌
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前立腺癌の臨床的検討
三方 律治今尾 貞夫石渡 進鈴木 基文
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キーワード: 前立腺癌, 臨床的検討
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1999 年 60 巻 1 号 p. 33-37

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抄録

組織学的診断の確定した前立腺癌158症例についての臨床的検討を行った. 5年の間隔で分けた前後半群では,年齢は変わらず,臨床症状は後半群では尿閉が減少し,排尿障害が増加していた.前立腺癌取り扱い規約による臨床病期Cが後半群で有意に増加し, G1は後半群で有意に減少していた.治療法は153例(97%)が抗男性ホルモン療法をうけていた.後半群では去勢術+ホルモン剤投与が減少し, LH-RHアナログ治療に代わった.
臨床病期が進むほどG分類も有意に高くなった.臨床病期とG分類とは臨床症状によって差はなかった.
G1症例の生存率は他の3群より有意に高く, G2, 3, 4症例の生存率には有意差はなかった.臨床病期Aでは癌死例はなく,臨床病期A, B, Cの3群の生存率に有意差は無く,臨床病期D群の生存率が他の3群に比べ有意に低かった.転移の有無が前立腺癌の予後を左右すると考えられた.

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