日本臨床外科学会雑誌
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心膜血腫に合併した収縮性心膜炎の1例
宮坂 成人芦田 泰之浜崎 尚文應儀 成二
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1999 年 60 巻 1 号 p. 61-64

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抄録

心膜血腫に合併し,比較的早期に発症した収縮性心膜炎を経験した.症例は67歳,男性.カテーテルアプレーション時の心嚢内出血から約1カ月後に,呼吸困難,下肢の浮腫を来した.心エコーと胸部CT所見から,血腫による心タンポナーデと診断し,血腫除去術を施行した.しかし,心臓が厚い心外膜に絞掘され拡張障害を来たしていたため心外膜切除術を行った,この手術により,心臓の拡張収縮能が回復し,術後の経過も良好であった.本症例の病態は,浸出性収縮性心膜炎であり,遅発性の心タンポナーデに対しては収縮性心膜炎の存在を考慮しておくことが必要である.

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