日本臨床外科学会雑誌
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食道原発癌肉腫と考えられた1例
近江 亮鈴木 康弘高橋 基夫加藤 紘之
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キーワード: 食道, 癌肉腫, 真の癌肉腫
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1999 年 60 巻 1 号 p. 97-101

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抄録

真の食道癌肉腫と考えられた1例を経験したので報告する.症例は59歳の男性,主訴は心窩部痛,嚥下困難.病変は胸部中部食道に存在し,巨大ポリープ様病変であった.
胸部食道全摘, 3領域郭清を施行.病理組織診断にて食道癌肉腫と診断された.
HE染色にてspindle cellを主体とするsarcomaが大部分を占め角化を認める高分化型の扁平上皮癌がnest状に混在していたが両成分の移行像は認められなかった.
また免疫染色にて,扁平上皮癌の部位にてケラチン, EMA陽性.肉腫成分はα-SMA陽性と両者は明瞭に染め分けられた電子顕微鏡所見も合わせ真の癌肉腫と考えられた.

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