日本臨床外科学会雑誌
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成人鼠径ヘルニア手術に対する日帰り手術の導入の経験
望月 能成須田 嵩松尾 憲一平川 昭平長谷川 誠司木谷 勇一望月 康久牧野 達郎山崎 安信竹村 浩
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1999 年 60 巻 9 号 p. 2311-2315

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抄録

今日,医療を取り巻く社会的,経済的環境が変化し,日帰り手術が脚光をあびている.当院では成人鼠径ヘルニアに対して日帰り手術を導入し,その可能性について検討した.対象: 1997年ll月から1998年9月に行った日帰り手術は36例であった.男31例,女5例.平均年齢は52歳.外鼠径ヘルニア31例,内鼠径ヘルニア5例であった.手術は硬膜外麻酔下にmesh plug法で行った.結果: (1)日帰り手術予定の退院延期は1例もなかった. (2)術後早期の合併症では皮下出血を術後1日目に8例認めたが自然消退した.発赤,腫脹を認める症例もあったが感染には至らなかった.滲出液の貯留を1例に認めたが穿刺により軽快した. (3)満足度アンケート調査で36例中29例に回答を得た.満足度は,「満足」と「やや満足」をあわせた回答が28例であり満足度は高かった.結語:成人鼠径ヘルニアの手術は技術面,患者側の受け入れ面の観点では日帰り手術が可能であった.

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