1999 年 60 巻 9 号 p. 2316-2319
大腸子宮癌重複癌切除例12症例について臨床的に検討した.最近17年間の当科における大腸癌手術例は517例であった.他臓器重複癌は45例,子宮重複癌は12例で,女性に限ると重複臓器のなかで子宮は最も多かった.大腸子宮重複癌12例中8例に癌家族歴を認めた.子宮癌照射後に大腸癌が発生した3例中, 2例に照射野内の大腸癌発生を認め, 1例に組織学的に放射線障害を示唆する所見も認められた.
癌家族歴や照射歴を有する子宮癌症例においては,大腸の二次発癌に対して厳重なサーベイランスが必要と考えられた.