日本臨床外科学会雑誌
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胃外型有茎性胃平滑筋腫の1例
窪田 公一金 達浩会田 征彦大谷 洋一芳賀 駿介梶原 哲郎
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キーワード: 胃平滑筋腫, 胃外型, 有茎性
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1999 年 60 巻 9 号 p. 2357-2361

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抄録

胃外型有茎性胃平滑筋腫の1例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する.
症例は74歳女性.黄疸で入院となり,十二指腸乳頭部病変が認められた.検査過程の腹部CTで胃腫瘍が指摘されたが,他の検査では異常所見を認めなかった.胃粘膜下腫瘍と判断し,十二指腸乳頭部病変とともに手術を施行した.胃前庭部大彎側前壁に壁外性に有茎性発育を示す腫瘍を認めた.十二指腸乳頭部病変に対する膵頭十二指腸切除範囲に含めて一括して摘出した.腫瘍は大きさ3.0×2.5×1.5cm, 分葉結節状で灰黒色,弾性軟で脆かった.病理組織学的には悪性所見のない筋上皮型の腫瘍で平滑筋腫と診断された.そして,腫瘍によって占められた固有筋層は有茎性発育を示しており,胃外型有茎性胃平滑筋腫と考えられた.胃外型有茎性胃平滑筋腫は極めて稀で本邦では23例が報告されているにすぎなかった.

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