1999 年 60 巻 9 号 p. 2414-2417
症例は, 24歳男性.右下腹部痛を主訴に当科受診.急性虫垂炎,汎発性腹膜炎の診断にて同日手術を施行した.術中所見で, Treitz靭帯より約180cm肛門側の空腸の腸間膜対側に0.5cmの穿孔を認め,さらに穿孔部の腸間膜,大網, Douglas窩に白色の多数の結節を認めた.術後病理検査にて,小腸平滑筋肉腫および腹膜播種と診断した.術後化学療法は行わず, 4カ月で死亡した.
小腸平滑筋肉腫の穿孔例は稀であり, 1988年から現在までのlO年間の報告例19例について検討し報告する.