日本臨床外科学会雑誌
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虫垂および回腸子宮内膜症の1例
山本 雄治平田 公一
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キーワード: 腸管子宮内膜症, 虫垂, 回腸
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1999 年 60 巻 9 号 p. 2418-2422

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抄録

虫垂および回腸子宮内膜症の1例を経験したので報告する.症例は42歳女性.眩量を主訴に平成9年10月13日当院内科を受診. RBC 386万/mm3, Hb8.4g/dl, Ht28.3%と貧血を示し便潜血反応陽性であったため精査目的で入院.
入院時現症として腹部は平坦,軟で圧痛はなく腫瘤を触知しなかった.注腸X線造影検査で虫垂は造影されず,回盲部に陰影欠損を認めた.大腸内視鏡検査では盲腸の虫垂開口部に表面平滑な隆起性病変を認め,粘膜下腫瘍を想定した.以上より盲腸の粘膜下腫瘍と診断し, 11月22日回盲部切除術+回腸部分切除術を施行した.術中所見としては,虫垂根部に2cm大の限局性腫瘤を触知し,回腸間に癒着も認めた.腫瘤は虫垂根部に一致した充実性腫瘍で腫瘍径は1.5×1.8cmであった.病理組織学的検査にて虫垂および回腸子宮内膜症と診断された.

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