日本臨床外科学会雑誌
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Pancoast症候群を呈し診断に苦慮した乳癌晩期再発の1例
吉岡 伸吉郎則行 敏生柴田 諭沖政 盛治片岡 健浅原 利正土肥 雪彦
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2000 年 61 巻 3 号 p. 632-635

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抄録

右乳癌根治術後15年でPancoast症候群を呈して再発した症例を経験した. 1979年2月1日他院で定型的乳房切除術を受け,術後より右肩,右前胸部にかけてのしびれと疼痛が持続していたが, 1993年より疼痛が増強し右眼瞼下垂が出現, 1994年には右手の運動障害と筋萎縮も生じた.同年6月に右鎖骨上リンパ節腫大があり,穿刺吸引細胞診で腺癌転移と診断された.胸部CT上Pancoast型肺癌を疑って右上葉切除と右鎖骨上リンパ節を含めた同側縦隔リンパ節郭清を行ったが,乳癌術後15年目の肺転移,リンパ節転移と判明した.術後補助療法を行い再発後5年経過した現在,非担癌生存中である.

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