日本臨床外科学会雑誌
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von Recklinghausen病に合併した異時性両側乳癌の1例
宇田 憲司金 仁洙室 雅彦井谷 史嗣金子 晃久佐々木 寛渡辺 和彦成末 允勇
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2000 年 61 巻 3 号 p. 636-639

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抄録

von Recklinghausen病に合併した異時性両側乳癌の1例を経験したので報告する.第1癌,左乳癌:患者は47歳女性で, 2年前より左乳房に腫瘤を認め,腫瘤が次第に増大するため当院を受診した.左乳房に7.0cm大の腫瘤を認めた.また全身に多発性神経線維腫およびCafe'au lait斑を認めた.乳癌の診断で胸筋温存乳房切除術を施行した.組織学的には乳頭腺管癌でリンパ節転移は認めなかった.第2癌,右乳癌:左乳癌切除後3年目に,右乳房に2.5cm大の腫瘤を認めた.乳癌と診断し胸筋温存乳房切除術を施行した.組織学的には乳管内成分を伴う乳頭腺管癌で,リンパ節転移は認めなかった.臨床的,病理組織学的に両側乳癌と診断した.

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