日本臨床外科学会雑誌
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手術後に高圧酸素療法を施行した腸管嚢腫様気腫症の1例
町田 宏水上 博喜坂本 信之櫻井 修幡谷 潔岡 壽士
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2002 年 63 巻 10 号 p. 2463-2466

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抄録

症例は76歳,女性.複数の手術歴があった.腹痛を2週間放置していたが増悪したために当院紹介受診した.心窩部と左下腹部に圧痛,筋性防御を認め,腹部単純X線検査では腸間膜に線状の気体像を認めたが横隔膜下には遊離ガスやChilaiditi signは認められなかった.しかし,腹部CTにて腹腔内遊離ガス,および腸間膜と後腹膜に気腫が認められたため消化管穿孔の診断にて緊急手術を施行した.開腹所見では腹腔内遊離ガス,小腸全体に及ぶ壁の肥厚と癒着,ならびに腸間膜気腫を認めたが,消化管穿孔や膿瘍形成は認められず,手術所見より腸管嚢腫様気腫症(pneumatosis cystoides intestinalis)と診断した.術後早期改善目的に高圧酸素療法を試み,施行3日後には気腫の消失が得られ,第22病日軽快退院した.術後9カ月再発は認められていない.

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