日本臨床外科学会雑誌
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絞扼性イレウスの診断で手術した右傍十二指腸ヘルニアの1例
大谷 聡井上 仁三浦 純一伊東 藤男樫村 省吾
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2002 年 63 巻 2 号 p. 383-386

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抄録
症例は49歳,女性.下腹部痛を主訴に来院.虫垂炎,胆石症にて2度の開腹歴を有した.入院の上鎮痛剤にて経過観察するも腹痛は次第に増強し, 6時間後には右側腹部の膨隆と右下腹部の筋性防御を認めた.腹部CT検査では右側の後腹膜腔に集積したイレウス腸管と腹水を認めた.絞扼性イレウスの診断にて緊急手術を施行した. Treitz靱帯をヘルニア門として小腸のほとんどが右側の後腹膜腔に嵌入し絞扼されていた.輸出脚の回腸には強い鬱血と色調変化を認めたが,還納後に温生食に浸すと色調が回復した.腸切除をせずにヘルニア門を縫合閉鎖し手術を終了した.術後経過は良好であった.
傍十二指腸ヘルニアは検索しえた範囲では自験例を含め87例と稀な疾患で術前の確定診断は困難と思われた.本症例では画像上特徴的な所見も呈していたと考えられたが,手術既往歴もあり癒着によるイレウスとの鑑別は困難であった.
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