日本臨床外科学会雑誌
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遺伝子組換え型第8因子濃縮製剤輸注により血友病の周術期管理を施行した出血性進行胃癌の1例
大下 裕夫種村 廣巳菅野 昭宏日下部 光彦波頭 経明外村 宗一石原 和浩坂下 文夫
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2002 年 63 巻 2 号 p. 379-382

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抄録
進行胃癌からの大量出血をきたした72歳の男性血友病A患者に対して,遺伝子組換え型第8因子濃縮製剤(octocog alfa)の持続輸注による根治手術・周術期管理を安全に行い得た.術前は輸血,アルブミン製剤, octocog alfa投与を行った.第8因子凝固活性値は16%であった.手術直前にoctocog alfaを輸注し,さらに,手術開始時から持続輸注を併用しながら幽門側胃切除(D2郭清)を行った.総出血量670gで輸血は行わなかった.術後は第8因子活性値レベルの目標を60~80%に設定し, octocog alfaを第11病日まで投与した(第8凝固因子活性値は50~60%で推移した).創出血はなく,第9病日に全抜糸した.血友病A患者の手術ではウイルス感染や免疫能低下の危険性が少ない遺伝子組換え型第8因子濃縮製剤持続輸注の導入によって,より安全で良好な周術期管理が可能となった.
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