日本臨床外科学会雑誌
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急性膵炎を契機に発見された膵上皮内癌の1例
上松 俊夫久保田 仁鈴木 秀昭木村 恵三石川 和夫児玉 章朗
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2002 年 63 巻 7 号 p. 1799-1803

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抄録
症例は71歳の女性.心窩部痛と血清アミラーゼ値の上昇を認め急性膵炎と診断した.保存療法にて軽快したが,腹部USおよびCTで主膵管拡張を認めた. ERCPでは膵頭部主膵管の狭窄と狭窄部のすぐ尾側の膵管一次分枝にtapering,途絶を認めた.EUSでは内部にhigh echoic spotsを有するlow echoic massを認めた.全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行した.病理組織学的には狭窄部近傍に,膵実質の萎縮,膵管分枝の拡張や小嚢胞を伴う限局性の線維化を認めた.同部の分枝膵管や狭窄部の主膵管の上皮に上皮内癌を認めた. pat carcinoma in situ, n(-), ly0, v0, ne0, pw0, bdw0, ew0, stage I, curAであった.
膵上皮内癌は膵管内に限局する癌で,膵管内乳頭腺癌と異なり乳頭増殖がないか乏しい癌とされている.浸潤癌を伴わない膵上皮内癌の報告は稀であり,急性膵炎を契機に発見された膵上皮内癌の1例を報告する.
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