日本臨床外科学会雑誌
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穿孔性腹膜炎をきたした小腸悪性リンパ腫の1例
中村 貴成, 福島 幸男, 塚原 康生, 柴田 高, 北田 昌之, 島野 高志
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2003 年 64 巻 3 号 p. 663-667

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抄録
症例は55歳,女性.突然の右下腹部痛を主訴に来院し急性腹症として緊急試験開腹術を施行した.回腸に全周性の壁肥厚と自潰穿孔部が認められ小腸腫瘍による穿孔性腹膜炎の術中診断となり,小範囲のリンパ節郭清を含む回腸部分切除術と腹腔ドレナージ術を施行した.術後病理組織学的検査により非ホジキン悪性リンパ腫, diffuse large T-cell typeと診断された.化学療法を施行したが術後7カ月目に永眠された.当院において過去40年間に,急性腹症として試験開腹術を施行し穿孔性腹膜炎をきたした小腸悪性リンパ腫と術後診断された8例を臨床病理学的に検討した結果,全身状態が回復し術後化学療法を施行できた4例中長期生存例は2例であり,諸家の報告と同様に予後不良であった.したがって治療方針としては,手術は可能な限り低侵襲にとどめて全身状態の改善に努め,術後早期に多剤併用化学療法を施行するのが最善と考えられた.
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