日本臨床外科学会雑誌
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虫垂粘液嚢腫11例の検討
栗山 直久世古口 務山本 敏雄井戸 政佳三枝 庄太郎野田 雅俊
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キーワード: 虫垂粘液嚢腫
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2003 年 64 巻 3 号 p. 673-677

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抄録

過去16年5カ月間に当院で経験した虫垂粘液嚢腫11症例(腺腫8例,腺癌3例)について臨床病理学的検討を行った.年齢は42~83歳で,男性4例,女性7例であった.主訴は下腹部痛が最も多く6例(うち腫瘤触知2例)であったが, 2例は無症状で発見された.近年の画像診断の進歩によって腺腫8例中5例において術前診断が可能であり,腺癌3例はともに癌性腹膜炎(腹膜偽粘液腫)の術前診断であった.術式は虫垂切除が6例(うち小腸部分切除併施1例)と最も多く,次いで回盲部切除4例(うち大網切除併施1例),盲腸部分切除1例であった.予後は腺腫8例では胃癌合併の1例が癌死したが,他は生存中で,腺癌3例では2例がそれぞれ3カ月, 17カ月後死亡し, 1例が9カ月生存中である.

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