日本臨床外科学会雑誌
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Low residue diet飲用による結腸切除術後早期栄養管理法の有用性 -TPNとの比較-
井上 善文木村 聡宏野呂 浩史吉川 正人藤田 繁雄弓場 健義曹 英樹野村 昌哉宗田 滋夫松田 暉
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2003 年 64 巻 4 号 p. 769-777

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抄録
結腸切除術症例に対し,術翌日より水分を摂取し,術後2日目から半消化態栄養剤LRDを飲用するという術後管理を行い(LRD群, n=30), TPNによる栄養管理(TPN群, n=30)と,栄養治療効果,術後の回復,安全性の面から比較検討した.栄養指標の変動には差がなかった.初回排ガス,排便までの期間,在院日数(LRD: 14.2±3.8日, TPN: 21.5±4.8日, p>0.05)はLRD群で有意に短縮していた.管理法完遂率はTPN群93.3% (カテーテル敗血症2例), LRD群86.7%(縫合不全,イレウス各1例,味などの問題で飲用不能: 2例)で,合併症発生頻度には差がなかった.術後のCRP値は両群間に差がなかったが,術後7日目の血漿IL-6値(LRD: 4.2±2.42pg/ml, TPN: 10.8±6.23pg/ml, p<0.05)はTPN群で有意に高値に留まった.術後早期からのLRD飲用による栄養管理法は,栄養治療効果の面ではTPNと同等で,腸管機能の回復期間は有意に短く,手術侵襲からの回復という面でも有利であることが示唆された.
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