日本臨床外科学会雑誌
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膵リンパ上皮嚢胞の1例
二村 直樹松友 将純立山 健一郎市橋 正嘉多羅尾 信阪本 研一
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2003 年 64 巻 7 号 p. 1745-1748

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抄録
症例は74歳の男性. CA19-9が高値のために腹部超音波検査が行われ,膵体部に腫瘤を指摘された.腹部超音波検査では膵体部に約1.8cm大,辺縁整,境界明瞭な低エコー腫瘤を認めた.腹部CT検査では膵体部から膵臓の頭側に約2.5cm大,辺縁整,境界明瞭な腫瘤を認めた.単純,造影ともにlow densityであった. ERCP,血管造影検査では特記すべき異常を認めなかった.嚢胞性膵疾患の診断で手術を行った.膵体部に膵臓から膵臓の頭側に突出するくるみ大の腫瘤を認め,核出術を行った.摘出標本では腫瘤は25×20×13mm大で黄白色,表面平滑,弾性軟であった.割をいれると粥状物質が流出した.病理組織検査では重層扁平上皮からなる多房性嚢胞と周囲にリンパ組織を認めた.膵臓のリンパ上皮嚢胞と診断した. CA19-9の免疫染色では重層扁平上皮が陽性を示し,術後20日目に測定したCA19-9は16U/mlと正常であった.
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