日本臨床外科学会雑誌
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乳腺solid papillary carcinomaの1例
北浦 良樹島田 和生鬼塚 幸治渡辺 次郎阿部 謙一武田 成彰
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キーワード: 乳癌, 粘液癌
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2006 年 67 巻 2 号 p. 288-292

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抄録
症例は66歳,女性.左乳頭からの血性分泌を主訴に当科を受診した.明らかな腫瘤は触知しなかったが,超音波検査で乳輪直下に8×9mmの等エコー腫瘤を認め,マンモグラフィでカテゴリー4,細胞診では悪性であった.以上より乳癌(T1bN0M0, Stage I)の診断で乳房円状部分切除,乳頭切開による区域乳管切除,センチネルリンパ節生検を行った(転移陰性のため腋窩郭清は省略).病理診断はintraductal carcinoma, solid papillary carcinoma (SPC) with endocrine differentiation, ER (+), PgR (+), HER2 (-)であった. SPCはMaiufらが初めて提唱した,高齢者に多く予後が良好な高分化の乳管内増殖主体の癌である.内分泌および神経系への分化を示し,主に細胞内への粘液の貯留を認め,粘液癌に合併することが多いため,粘液癌との関連の可能性が示唆されている.
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