抄録
症例は1985年8月に本院にてmyelodysplastic syndrome (MDS)と診断されていた29歳男性。1988年8月発熱と動悸のため本院に再入院した。著明な汎血球減少症を認めたが,いぜんMDS (refractory anemia)の状態であった。染色体で7 monosomyを認めた。尿中へモジデリン陽性,血清ハプトグロビン低値,赤血球抵抗正常,Ham test, sugar water testともに陰性,寒冷凝集素正常,Donath-Landsteiner抗体陰性,autohemolysis test陰性であることから,直接Coombs, 間接Coombsはともに陰性であるが自己免疫性溶血性貧血(AIHA)の合併と診断した。プレドニゾロン50 mg/日の投与を開始後輸血回数も減少し,輸血赤血球寿命も10.4日から27日まで延長した。しかし入院13カ月後より急速にacute nonlymphocytic leukemiaへ移行し,消化管出血,脳出血をおこし死亡した。
免疫異常を伴うMDS例は報告されているがCoombs陰性AIHAを合併している例はなく,若干の考察を加えて報告する。