臨床血液
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臨床研究
抗L-asparaginase IgG抗体測定法の改良とその臨床的考察
月本 一郎松井 純一岩下 弘子重田 勝義鈴木 英明橋本 惟
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1992 年 33 巻 1 号 p. 24-29

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抄録
L-asparaginase (L-asp)投与を受けた患者の抗L-asp IgG抗体価測定を従来のビーズを用いるELISA法から,操作が簡便なマイクロプレートを用いる方法を開発し,臨床応用を試みた。小児のL-asp投与例での両法の相関関係はR=0.949と非常によく一致した。マイクロプレート法による臨床的検討では,L-asp初回投与例で10例中9例(90%)のものに抗体価の上昇がみられたが,治療終了9カ月後には正常化した。過敏反応が出現した26例中22例(84.6%)に抗L-asp IgG抗体価の上昇が確認された。しかし,抗体価の程度と過敏反応の重症度の間には有意な相関はみられなかった。抗L-asp IgG抗体の測定方法について,今回改良したマイクロプレートを用いるELISA法は,従来のビーズを用いる方法に比し,簡便で臨床的にも有用であると考えられた。
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© 1992 一般社団法人 日本血液学会
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