臨床血液
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症例
著明な好塩基球増加を伴ったMDS overt leukemia
白川 親大野 基樹杉島 仁森田 恵正木 秀幸藤本 卓也前田 裕弘入交 清博堀内 篤
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1992 年 33 巻 8 号 p. 1031-1035

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抄録

著明な好塩基球増加を伴ったMDS overt leukemiaを経験したので報告する。症例はRAEBと診断されていた52歳の女性。末梢白血球数が上昇したため本院に入院した。入院時末梢白血球数30,900/μl, 分類では芽球14.0%, 好塩基球49.0%, 骨髄像で芽球30.2%, 好塩基球21.1%と増加しており,RAEB in tと診断された。入院後好塩基球数は増加し,血清ヒスタミン濃度の増加とともに高ヒスタミン血症による消化性潰瘍や発熱が認められ,呼吸不全と敗血症で死亡した。好塩基球は成熟型であり,トルイジンブルーで異染性に染まる顆粒をもっていた。好塩基球の増加機序を明らかにすることはできなかったが,白血病細胞と同一クローンから分化増殖したものと考えられた。

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© 1992 一般社団法人 日本血液学会
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