臨床血液
Online ISSN : 1882-0824
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症例
急性前骨髄性白血病に見られるPseudo-Chediak-Higashi顆粒の形成に関する考察
—自験例の観察から—
入交 清博岩本 一郎川西 一信辻 光次郎森田 恵小山 敦子濱崎 浩之堀内 房成堀内 篤秋山 利行岩永 隆行
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1992 年 33 巻 8 号 p. 1057-1065

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抄録

今回われわれは38歳,女性の急性前骨髄球性白血病にみられたpseudo-Chediak-Higashi (P-CH)顆粒を細胞化学および電子顕微鏡的に観察し,この巨大顆粒の形成について考察した。この巨大顆粒の大きさは小型の顆粒は1-2 μm, 大型の顆粒は4-5 μm, ライト・ギムザ染色ではアズール好性を示した。特殊染色ではペルオキシダーゼ,PAS, 多染性メチレン青染色が陽性,ASDクロロアセテートエステラーゼ,酸フォスファターゼ染色は陰性であった。電子顕微鏡所見では,アズール顆粒の癒合によりp-CH巨大顆粒が形成され,これらの顆粒は1)均等なマトリックスを示す高電子密度の円形顆粒,2)高電子密度の顆粒の一部が自己融解した顆粒,3)結晶状構造を示し,アウエル小体と微細構造が類似している顆粒,4)空胞化した顆粒などが認められた。このアウエル小体様顆粒はアウエル小体の一種の変形したものと考えられた。

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© 1992 一般社団法人 日本血液学会
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