1992 年 33 巻 9 号 p. 1248-1251
66歳の女性が高熱と意識障害のため入院した。患者は約1年間にわたり不明熱が頻発していた。入院時末梢血の単球増加と血小板減少および骨髄細胞の異形成は慢性骨髄単球性白血病を強く疑わせた。抗生物質の投与にもかかわらず高熱は持続した。メチルプレドニソロンのパルス療法を施行したが,意識障害,呼吸困難,発熱などの臨床症状は改善せず,さらに胸水や腹水が出現しだした。エピルビシン,サイクロフォスファマイド,ビンクリスチン,プレドニソロンよりなるF-COP療法を施行したところ,臨床症状の劇的な改善をみた。その後,7カ月にわたりF-COP療法を毎月施行し病状の悪化を認めなかった。本例はF-COP療法がCMMoLの患者に有効である可能性を強く示唆している。