臨床血液
Online ISSN : 1882-0824
Print ISSN : 0485-1439
ISSN-L : 0485-1439
症例
赤芽球系前駆細胞に対する抑制性Ts/cリンパ球を認め赤芽球癆の病態を示した原発性マクログロブリン血症の1例
政氏 伸夫田中 淳司渡辺 雅男松浦 淳森井 健直原 徹木山 善雄比嘉 敏夫笠井 正晴韓 明哲今村 雅寛宮崎 保
著者情報
ジャーナル 認証あり

1993 年 34 巻 3 号 p. 355-361

詳細
抄録
原発性マクログロブリン血症(WMG)はIgMタイプのM蛋白を示すBリンパ球系の腫瘍性増殖疾患で約80%の症例で正球性正色素性貧血(NNA)の合併が報告されるがその原因は明らかではない。われわれは,経過中に赤芽球癆(PRCA)様病態を呈したWMGを経験し,正常骨髄単核細胞(BMMNC) CFU-Eコロニー形成能による病態の検討を行った。症例は59歳の男性。入院時総蛋白9.7 g/dl, γグロブリン48.2%, 免疫電気泳動にてIgM分画にM蛋白を認めWMGと診断した。入院時より著明なNNAを示し,さらに進行したが網状赤血球は低値,骨髄は赤芽球系細胞が著明に減少し,エリスロポイエチンは高値でPRCA様の病態と考えられた。BMMNCのCFU-Eコロニー形成は患者末梢血リンパ球添加で抑制され患者血清添加で促進された。患者サプレッサー/キラーT細胞(Ts/c)亜分画群添加で,もっとも強く抑制され,混合比依存性を示したことより,同種赤芽球系前駆細胞に対する抑制性Ts/c細胞群の存在が示唆され,WMG患者で証明し得たまれな症例と考えられた。
著者関連情報
© 1993 一般社団法人 日本血液学会
前の記事 次の記事
feedback
Top