臨床血液
Online ISSN : 1882-0824
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臨床研究
遺伝子組換えヒトエリスロポエチンの再生不良性貧血に対する効果
—第II相臨床試験—
浦部 晶夫溝口 秀昭高久 史麿宮崎 保谷内 昭新津 洋司郎三浦 恭定武藤 良知藤岡 成徳野村 武夫外山 圭助川戸 正文黒川 清矢崎 義雄小野澤 康輔戸川 敦森 眞由美榎本 英壽小川 一誠池田 康夫大島 年照青木 功塩谷 茂有森 茂千葉 省三小峰 光博斎藤 英彦大野 竜三小寺 良尚平林 憲之中川 雅夫春日 雅人仁保 喜之江藤 澄哉高月 清荒木 弘一
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1993 年 34 巻 9 号 p. 1002-1010

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抄録

15歳以上の再生不良性貧血患者37例(Hb濃度10 g/dl未満)に対して遺伝子組換えヒトエリスロポエチン(rHuEPO, エポエチンアルファ)を3,000∼24,000IU/body/日の漸増法にて連日皮下投与し,有効性および安全性を検討した。投与前非輸血例はHb濃度が1 g/dl以上上昇した症例,投与前輸血例は輸血量が50%以上減少した症例を有効例と判定した。全体の有効率は34.5%(10/29例)であり,軽症例ほど高い有効率が得られた。軽症例は6,000IUまでの増量で効果が認められたが,中等症,重症例は24,000IUまでの増量を必要とする症例が多かった。特に重篤な副作用,臨床検査値異常は認められなかった。以上の結果より,再生不良性貧血に対するrHuEPO投与は有用であると考えられた。

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© 1993 一般社団法人 日本血液学会
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