臨床血液
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臨床研究
巨核芽球性白血病の細胞学的所見と予後
三好 保由高橋 尚樹多田 淳一樋口 敬和前田 剛清水 透原田 浩史岡田 定森 啓新倉 春男小峰 光博藤田 和博寺田 秀夫
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1994 年 35 巻 6 号 p. 541-546

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抄録

PPOまたはCD41b陽性芽球が10%以上の急性白血病9例を巨核芽球性白血病と診断し,細胞学的所見と予後を検討した。3例は骨髄異形成症候群や骨髄増殖性疾患からの移行であった。PPO陽性芽球の比率は7∼55%(メディアン45%),CD41b陽性芽球の比率は1.6∼67.0%(メディアン16.4%)であった。電顕MPOやグリコフォリンA陽性細胞を認めた症例があり,またPPOに比しCD41b陽性率は不釣合いに低い症例があったことから,6例は骨髄系あるいは赤芽球系との混合性白血病である可能性が示唆された。治療成績は,多剤併用療法を行った小児3例は全例がCRに達したのに対して,成人6例でCRを得たのはシタラビン少量療法の1例のみで,多剤併用療法では比較的早期に死亡した。

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© 1994 一般社団法人 日本血液学会
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