1994 年 35 巻 6 号 p. 552-556
症例は,51歳男性。1991年7月,盗汗,胸痛出現し,左側胸水を認めたため近医受診した。胸水細胞診から悪性リンパ腫の診断にてVEPA療法施行し,胸水は軽減した。6カ月後,根治目的にて,1992年1月28日当院入院した。骨髄穿刺にてペルオキシダーゼ陽性芽球を21.2%認め,芽球の表面マーカーよりCD7陽性AMLと診断。染色体解析では正常核型を示した。2月5日よりDaunorubicine, Ara-C投与による寛解導入療法後,完全寛解となった。2回の地固め療法を施行したのち,末梢血幹細胞移植術(ABSCT)を施行。ABSCT後,8カ月間寛解が持続した。胸水貯留で発症したAMLはまれであり表面マーカーで示される芽球のimmaturityと髄外増殖との関連が示唆された。