臨床血液
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症例
MLL遺伝子に再構成が認められたetoposideによる二次性白血病の1例
飯田 浩充田地 浩史飯田 美奈子鈴木 律朗杉原 卓朗南 三郎小寺 良尚山本 一仁瀬戸 加大上田 龍三
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ジャーナル 認証あり

1994 年 35 巻 6 号 p. 569-575

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抄録

11q23染色体異常は乳児白血病,二次性白血病などで高頻度に認められ,乳児白血病における転座関連遺伝子はmixed-lineage leukemia (MLL)遺伝子と呼ばれている。今回われわれは悪性リンパ腫の化学療法終了10カ月後に急性骨髄性白血病を発症し,サザンブロット解析によりMLL遺伝子に再構成が認められた症例を経験したので報告する。症例は50歳男性。左腋窩リンパ節腫脹を主訴に受診し,リンパ節生検にてIBL like T cell lymphomaと診断された。LSG-9プロトコールにて寛解となり退院したが10カ月後発熱を主訴に再入院,骨髄穿刺にて急性骨髄性白血病と診断された。染色体検索で11q23領域に異常が認められ,etoposideによる二次性白血病が示唆された。サザンブロット解析を施行したところMLL遺伝子に再構成が認められた。この結果により二次性白血病における11q23領域の転座切断点は乳児白血病と同様MLL遺伝子にあることが示唆された。

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© 1994 一般社団法人 日本血液学会
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