臨床血液
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臨床研究
急性白血病の化学療法後におけるG-CSF早期投与の有効性
竹山 英夫山田 博豊恵美 宣彦斎藤 英彦竹下 明裕大野 竜三吉田 均直江 知樹影山 慎一白川 茂小寺 良尚平林 憲之西脇 洋内藤 和行平野 正美加藤 良一田中 正夫永田 紘一郎仁田 正和森下 剛久
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1995 年 36 巻 11 号 p. 1257-1265

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抄録

急性白血病の化学療法後におけるG-CSFの至適投与法を検討すべく,化学療法後投与(A群)と好中球減少性発熱後の投与(B群)との無作為割付群間比較試験を行った。登録時に強力な化学療法が施行されており,感染による38度以上の発熱がなく,骨髄中の芽球は20%以下で末梢血に芽球の認められない1) ALLの19例,2) 高齢者及び再発難治のAML 35例,3) CMLの急転例の3例を対象とした。A群では化学療法終了24時間後にG-CSF 200 μg/m2ivを開始する。B群では化学療法後好中球が1,000以下となり,38度以上の発熱がみられた場合に同量のG-CSF投与を開始する。不適格5例を除く52例の内A群は27例,B群は25例で,38度以上の発熱日数はA群は2.15±2.98日,B群で3.40±4.78日であった。感染症回避率はA群で40.7%, B群で15.6%であった。A群はB群に比し有意に好中球に回復時期を早め,早期に感染症の消失がみられた。G-CSFの早期投与による芽球の増加や白血病の早期再発はみられなかった。

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© 1995 一般社団法人 日本血液学会
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