臨床血液
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臨床研究
Ferroerythrokineticsデータの正準判別分析と軸回転法による無効造血のパラメーター抽出とその適用
高橋 豊馬止 裕大野 陽一郎
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1995 年 36 巻 11 号 p. 1266-1273

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抄録

鉄赤血球回転(ferroerythrokinetics, FEK)に潜む曖昧さを改善し情報を整理・要約する目的で,正常,溶血過形成,低形成,無効造血(IEP)各群につき,erythron transferrin uptake(Cazzola等)換算法を採用したFEKデーターに正準判別分析を適用し正準変量V-1, V-2, V-3を得た。V-2, V-3につき,IEP群分布楕円の長・短軸にそれぞれ平行となるよう軸回転しV'-2, V'-3とした。V-1は赤血球有効産生量,V'-2は有効率,V'-3は末梢破壊率をそれぞれ反映する定量的指標と解釈された。IEP群でV'-2はETUと顕著な負相関(R=-0.872)関係があり造血効率の低下とそれに伴う代償性過形成との関係をより明瞭に呈示した。V-1, V'-2平面上でIEP群分布楕円と3判別線でFEK上記3型と2複合型に対応する5領域が区分できた。本法を適用すると,従来のFEKの指標では部分的ないし複合的要因のため判然としない疾患を判断する上に極めて有用な指標になると考えられた。

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© 1995 一般社団法人 日本血液学会
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