臨床血液
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症例
経過中に骨髄染色体異常の変化をきたしウベニメクス単独投与下で長期間血液像が安定している急性骨髄性白血病
下瀬川 健二小野 葉子菅原 健沼岡 英晴及川 浩樹伊藤 薫樹槍澤 大樹村井 一範成ケ澤 靖宮入 泰郎伊藤 敏治石田 陽治厨 信一郎
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1995 年 36 巻 11 号 p. 1289-1294

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抄録

低形成性白血病に近似し,初診時よりおよそ22カ月間,ウベニメクス単独投与下で血液像の憎悪をほとんど示さないまま経過している71歳の急性骨髄性白血病(AML)症例を経験した。本例は初診時の骨髄細胞染色体分析で8トリソミーと正常核型のモザイクを示したが,初診よりおよそ19カ月後の染色体分析では8トリソミーは消失し,所属の不明な染色体の10番染色体長腕への挿入が分析細胞のすべてに認められた。この患者はこれまでの経過中,赤血球および血小板輸注を全く行うことなく良好に経過している。

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© 1995 一般社団法人 日本血液学会
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