抄録
1987年から1994年の7年間に経験した10例の小児B細胞性悪性リンパ腫および白血病(B-NHL stage I&II 6例,stage III&IV 2例/ALL 2例)について,BLK88プロトコールで治療した。BLK88はHD-CPM (1,200 mg/m2), HD-MTX (1,000 mg/m2)にVCR, ADR, あるいはAraCを併用し,三者髄注による中枢神経再発予防を行い,全経過24週(B-ALLでは36週)で終えるプロトコールである。その結果,stage I&IIの6例のうちstage IIの1例が経過中に再発したが,ALLを含むstage III&IVの4例は全例が無病生存を維持している。これに対しhistorical controlのstage III&IVの4例は全例が再発していた。BLK88による副作用として,好中球減少症,肝障害が認められたがいずれも一過性で,全例治療スケジュールに遅れることなく治療を完遂することが出来た。BLK88は小児期のB-NHL/ALLに対し有用な治療プロトコールと考えられた。