臨床血液
Online ISSN : 1882-0824
Print ISSN : 0485-1439
ISSN-L : 0485-1439
臨床研究
小児B細胞性悪性腫瘍に対する治療
—BLK88プロトコールの治療成績—
日比 成美藤原 史博橋田 哲夫松村 隆文東道 伸二郎澤田 淳今宿 晋作
著者情報
ジャーナル 認証あり

1996 年 37 巻 4 号 p. 297-302

詳細
抄録
1987年から1994年の7年間に経験した10例の小児B細胞性悪性リンパ腫および白血病(B-NHL stage I&II 6例,stage III&IV 2例/ALL 2例)について,BLK88プロトコールで治療した。BLK88はHD-CPM (1,200 mg/m2), HD-MTX (1,000 mg/m2)にVCR, ADR, あるいはAraCを併用し,三者髄注による中枢神経再発予防を行い,全経過24週(B-ALLでは36週)で終えるプロトコールである。その結果,stage I&IIの6例のうちstage IIの1例が経過中に再発したが,ALLを含むstage III&IVの4例は全例が無病生存を維持している。これに対しhistorical controlのstage III&IVの4例は全例が再発していた。BLK88による副作用として,好中球減少症,肝障害が認められたがいずれも一過性で,全例治療スケジュールに遅れることなく治療を完遂することが出来た。BLK88は小児期のB-NHL/ALLに対し有用な治療プロトコールと考えられた。
著者関連情報
© 1996 一般社団法人 日本血液学会
前の記事 次の記事
feedback
Top