臨床血液
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症例
All-trans retinoic acidによる急性前骨髄球性白血病治療に合併した陰嚢部剥離性皮膚潰瘍
田嶋 克史寒河江 理生矢萩 明人秋葉 次郎鈴木 啓二郎林 朋博佐藤 伸二
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1998 年 39 巻 1 号 p. 48-52

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抄録
All-trans retinoic acid (ATRA)は多くの急性前骨髄性白血病患者を完全寛解に導く。ATRAの副作用は軽度とされ,頭痛,皮膚乾燥,皮膚炎,胃腸障害,高トリグリセリド血症などがしられる。ATRAと抗癌剤併用療法で治療した3症例の急性前骨髄性白血病患者に陰嚢部剥離性皮膚潰瘍を認めた。平均年齢は33歳(25歳から37歳)であった。3症例ともATRA投与後9日から17日で陰嚢部にびらんと多発性の小潰瘍が出現した。陰嚢部潰瘍は再燃を繰り返しながら徐々に消退し約8週の経過で治癒した。陰嚢部以外に皮膚病変はみられなかった。この間ATRAは45 mg/m2で連日投与され,3症例とも完全寛解となった。われわれは陰嚢部剥離性皮膚潰瘍をATRAの副作用と考えた。陰嚢部病変の報告はまれだが,ATRA療法を受けている症例の中に潜在している可能性がある。
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© 1998 一般社団法人 日本血液学会
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