抄録
症例は62歳の男性で,全身性のリンパ節腫大と触診により硬結を触れる点状出血斑,脾腫と発熱を呈した。末梢血に白血球増加(10,200/μl)と形質細胞を23%認め,サザンブロット解析では免疫グロブリン遺伝子の再構成を認めず,多クローン性の形質細胞の増多と診断した。また,血清では多クローン性免疫グロブリン増多を認めた。頸部リンパ節生検は胚中心のonion-skin構造と濾胞間領域の形質細胞の増加を呈し,Castleman病と診断した。また,点状出血斑の皮膚生検の結果,leukocytoclastic vasculitisと診断した。本症例は,末梢血中の形質細胞増多とleukocytoclastic vasculitisを伴った稀なCastleman病の症例である。