抄録
症例は81歳,女性。1995年2月より38°Cの発熱が出現。次第に貧血の進行,LDHの上昇がみられるようになったため9月当科へ入院した。全身浮腫著明で,Roth斑を含む多彩な眼底異常を認めた。皮疹,精神神経症状はみられなかった。Hb 7.6g/dl, Plt 9.3×104/μl, WBC 6,300/μl, LDH 1,932 IU/l。原因精査を行うとともに,抗生剤,抗結核薬,ステロイド剤を投与したが不明熱のまま経過し,10月心不全で死亡した。剖検では,肺,腎,膀胱,消化管粘膜の小血管内に大型の単核細胞が充満している像がみられた。これらは,LCA, L26陽性,UCHL-1陰性で,Bリンパ球由来と考えられ,Neoplastic angioendoth-eliosis (NAE)と最終診断された。これまでにNAEにRoth斑がみられたとの報告はないが,血管閉塞症状のひとつとして出現していた可能性があり,特異的臨床症状の乏しいNAEの一徴候として注目すべきと考え報告した。