抄録
骨髄移植(BMT)前後で胸部X線,臨床所見に異常を認めない患者21例の移植後早期の肺機能を検討した。1秒率(FEV1.0%)とV25, V50/V25は放射線照射,GVHDの有無に拘わらず,BMT前後とも正常範囲を保っていた。%肺活量(%VC)と%CO肺拡散能力(%DLco)は移植後9カ月目まで進行性に低下していく傾向がみられた。両者とも全身放射線照射(TBI)の肺線量と線量率の高い群,およびGVHD合併群では,それぞれ低線量群,低線量率群,GVHD非合併群より早期から低下し,その程度も強い傾向がみられた。以上より,われわれは移植後早期に潜在的な肺機能障害が生じ,その状態が移植後少なくとも9カ月まで進行していくことを見いだした。さらにその原因として,BMT前の治療,TBI, GVHDが関与している可能性を示した。