臨床血液
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症例
姉妹に発症した多発性骨髄腫
渡辺 嗣信鈴木 靖子村上 信司小松 眞理
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ジャーナル 認証あり

1999 年 40 巻 2 号 p. 135-139

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抄録

症例1: 79歳,次女。某病院にて多発性骨髄腫と診断され,平成9年12月,骨髄腫治療のため当院に入院となった。血清免疫電気泳動によりIgG-λ型M蛋白が認められ,骨X線でPunched out lesion (+), 骨髄検査で異型性を示す形質細胞が14%を占めた。症例2: 68歳,5女。某病院にて多発性骨髄腫と診断され,骨髄腫治療のため平成9年5月当院紹介入院となった。血清免疫電気泳動によりBence Jones-κ型とIgA-κ型M蛋白が認められ,骨X線でPunched out lesion (+), 骨髄検査で異型性を示す形質細胞が90%を占めた。家族調査で本例2人の姉妹の他,6女が白血病であった。11人兄弟の内3人が血液疾患であったことから,遺伝因子が関与していると考えられたため,HLAを検査した結果,姉はA31, B39, B51, Cw7, 妹はA31, B51, B62, Cw4であった。骨髄腫とHLAとの関連を示す報告が少ないため明らかなことは,今後に期待される。

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© 1999 一般社団法人 日本血液学会
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