2007 年 48 巻 2 号 p. 140-143
骨髄壊死を初発症状として発症した急性リンパ性白血病の小児例を報告する。症例は4才男児で,発熱と下肢痛を主訴に紹介となった。汎血球減少を認めたが,入院時の骨髄検査では壊死細胞が認められるのみで,診断にいたらなかった。しかし,経過観察後の第26入院病日に再度行った骨髄検査ではリンパ芽球を認め,急性リンパ性白血病と診断した。治療経過は順調であり,現在強化療法中であるが寛解を維持している。骨髄壊死は悪性疾患の初発症状としてまれにみられるが,広汎に認め診断に苦慮する場合は,経過観察を行いながら骨髄穿刺を反復することで診断が可能であると考えられた。