臨床血液
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症例報告
Rituximabとvincristineの併用が奏効した難治性血栓性血小板減少性紫斑病
金子 仁臣松本 雅則岡本 浩平蝶名林 和久菱沢 方勝渡邊 光正藤村 吉博通堂 満
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2007 年 48 巻 2 号 p. 144-147

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抄録

症例は26歳男性。2006年1月1日,嘔吐,発熱があり救急車で来院。見当識障害,点状出血,ヘモグロビン尿,微小血管障害性溶血性貧血,血小板数減少(1.4万/μl)を認め,Thrombotic thrombocytopenic purpura (TTP)と診断した。ステロイドパルスと連日の血漿交換で血小板数は数日間増加したがすぐに1.0万/μl以下となった。血漿交換を継続しつつrituximabとvincristineを投与したところ血小板数は速やかに正常化した。von Willebrand因子切断酵素(ADAMTS13)活性とそのインヒビターの力価は血小板数と相関しており定型的な後天性TTPであった。血漿交換不応の難治性TTPにrituximabとvincristineの併用が奏効した一例を報告する。

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© 2007 一般社団法人 日本血液学会
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