抄録
61歳男性。trisomy 8を伴う白血病(M6)に対し,異性間同種末梢血幹細胞移植を施行した。11番染色体短腕上のマイクロサテライト領域を用いたキメリズム解析(PCR-STR)及び,8番染色体FISH法解析にて経過を観察した。移植10か月後に芽球の増加と,FISH法解析でtrisomy 8を示す細胞の増加を認め再発と考えられたが,PCR-STR法では100%ドナータイプであり,再発所見を示さなかった。そこで骨髄標本を用いたXY FISH法解析を行ったところ,芽球はレシピエント由来であることが確認された。この直後の染色体分析において,初発時の異常核型に加えてPCR-STR法で用いたマイクロサテライト領域を含む染色体の部分欠失del (11)(p10)という新たな付加異常が,解析した異常細胞全てに認められ,このことがPCR-STR法で再発を検出できなかった原因であった。