臨床血液
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臨床研究
小児非ホジキンリンパ腫の治療成績
―九州・山口小児がん研究グループKYCCSG NHL-89, 96―
深野 玲司住江 愛子松崎 彰信稲田 浩子永利 義久石井 榮一中山 秀樹川上 清盛武 浩柳井 文男糸長 伸能末延 聡一菊池 昌弘岡村 純河野 嘉文
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2012 年 53 巻 11 号 p. 1898-1905

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抄録
KYCCSGでは1989年から小児NHLに対して継続する二つの治療研究NHL-89, NHL-96を施行した。当時,小児NHLはdiffuse large cell lymphoma (DLC), lymphoblastic lymphoma (LBL), small non-cleaved lymphomaの組織型に分類されており,本研究ではDLC, LBLを対象とした。NHL-89に42例(DLC: 15例,LBL: 27例),NHL-96に34例(DLC: 8例,LBL: 26例)が登録された。DLCにはMTX大量投与を含む寛解導入療法後に,MTX中等量投与を反復した。LBLにはPSL, VCR, CPM, ADR (THP-ADR)による寛解導入療法後に強化療法,頭蓋照射を含むCNS再発予防を行い,維持療法はPSL, VCR, CPM, 6-MPなどによる多剤でのブロック治療とした。全体の5年EFSはNHL-89が76.2±6.6%,NHL-96が67.7±8.0%であり,過去の治療研究NHL-858と比較して成績の向上に成功した。
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© 2012 一般社団法人 日本血液学会
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