抄録
【背景・目的】群馬県内で診断された初発非ホジキンリンパ腫の実態調査を後方視的に行った。【対象と方法】群馬県内4施設の主に血液内科に2001年1月から2006年12月に入院した初発悪性リンパ腫726例について病型,臨床像,治療内容,予後を解析した。また,Diffuse large B-cell lymphoma (DLBCL)については,リツキシマブ登場前後での治療成績を比較した。【結果】679例が非ホジキンリンパ腫(B細胞性603例,T・NK細胞性76例),ホジキンリンパ腫47例であり,DLBCLが376例と最多であった。DLBCL症例のうちR-CHOP群(212例)とCHOP群(126例)では3年生存率73.5% vs 61.7% (p=0.010), 3年無増悪生存率65.1% vs 45.8% (p<0.001)と,リツキシマブ併用群で有意に予後の改善が見られた。【結語】今回の検討ではDLBCLが半数以上を占め,リツキシマブ使用により有意に予後の改善がみられた。