臨床血液
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症例報告
18F-FDG-PET/CTがtriple negative原発性骨髄線維症との鑑別に有効であった骨髄浸潤を伴うびまん性大細胞型B細胞リンパ腫
熊谷 拓磨佐藤 葉子輿石 めぐみ大石 沙織末木 侑希中嶌 圭三森 徹桐戸 敬太
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2017 年 58 巻 3 号 p. 228-232

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抄録

骨髄線維化は,原発性骨髄線維症(primary myelofibrosis, PMF)をはじめとする骨髄増殖性腫瘍で認められることが多いが,急性骨髄性白血病や悪性リンパ腫あるいは多発性骨髄腫などの様々な血液悪性腫瘍にも合併する。このため,骨髄線維化を認めた場合には,その基礎疾患を正確に診断することが重要である。PMFにおいては,約10%の症例はJAK2V617F,MPLもしくはCALR変異のいずれをも有しておらず,triple negative PMFとして知られる。Triple negative PMFとほかの疾患に起因する二次性骨髄線維化とを鑑別することは時に困難なことがある。今回我々は,当初triple negative PMFが疑われるも,18F-FDG-PETの所見をきっかけに,びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の骨髄浸潤と診断し得た症例を経験したので報告を行う。

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© 2017 一般社団法人 日本血液学会
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