臨床血液
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症例報告
骨・関節痛で発症した小児急性リンパ性白血病の3例
窪田 博仁才田 聡上月 景弘濱端 隆行大封 智雄加藤 格梅田 雄嗣平松 英文西小森 隆太平家 俊男岡本 健足立 壯一
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2018 年 59 巻 2 号 p. 167-173

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抄録

骨痛や関節痛を初発症状とした小児急性リンパ性白血病の3例を経験した。初診時は末梢血の異常所見が乏しく,関節炎・骨髄炎として鎮痛剤・抗菌薬で治療が開始され,非典型的な経過のため診断確定までに2~4ヶ月を要した。骨髄検査により確定診断を得て,化学療法により全例寛解を得た。画像検査の特徴的所見として,MRIではT1強調画像におけるびまん性の骨髄信号の変化,FDP-PETでは広範な骨髄の異常集積を認めた。症例2, 3においては腸骨からの骨髄穿刺では診断困難であったが,FDG-PETで異常集積を認めた脛骨からの骨髄穿刺により確定診断を得ることができ,骨髄穿刺部位の選定にもFDG-PETは有用と考えられた。反復・移動する骨・関節痛を有する症例においては,積極的な骨髄検査,MRI・FDG-PETなどの画像検査を考慮する必要があり,白血病の早期診断・治療に寄与すると考えられた。

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© 2018 一般社団法人 日本血液学会
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