2019 年 60 巻 10 号 p. 1455-1461
64歳,女性。2013年に,びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)と診断され,R-CHOP療法8コース後のFDG-PET/CTで完全奏効を確認後,残存した後腹膜腔の軟部陰影に対し局所放射線照射を追加した。2016年初頭からLDH・可溶性IL-2受容体の高値が持続し,再発を疑いFDG-PET/CT撮影行うもリンパ節腫大や異常集積は認めず。同年7月末より発熱・盗汗出現し,血管内リンパ腫を疑いランダム皮膚生検を行ったところ,皮下脂肪織内の血管周囲および血管内に大型の異型細胞の浸潤を認め,細胞形態および免疫染色,免疫グロブリン重鎖遺伝子PCR結果からDLBCLの再発が示唆された。救援化学療法に加えて自家末梢血幹細胞移植併用大量化学療法を行ったが,約15ヶ月後に肺病変を伴い再発し,再度化学療法を行い現在再奏効が得られている。DLBCLが血管内リンパ腫様に再発を来すこともあり,臨床所見や検査所見から疑わしい際は,IVLBCLに準じた検査を検討する必要があると考える。